[コメント] ふたりの5つの分かれ路(2004/仏)
フランソワ・オゾンは『まぼろし』やこの作品のように古典的なフランス映画の雰囲気を持つ佳作も撮れるのが良い。本来は★3で良い作品だが、ちょっとおまけしてみました。佳作ならではの良さがしっかりあるのだ。(2005.9.5.)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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結ばれない男と女の関係は、すべて別れるための前兆である。僕はこの映画を観て、そのように捉えた。直接的に何が原因というわけではなく、細かな部分がすべて悲しい結末に直結している。良くある恋愛映画だと、すべては結ばれるための前兆のように進んでいくが、別れるための前兆を綴った作品は珍しい。ひとつの恋愛の解釈として面白みを感じた。
5つあるエピソードのうち、生きるのは最初と最後、別れと出会いであろう(正直、2つ目は退屈でもあった)。痛みを感じさせる別れの場面と、眩しいばかりの出会いの場面(クロード・ルルーシュの『男と女』のような美しさがある)のコントラストが良い。明暗のコントラストによって、夕日の浜辺で海に入っていくふたりの後姿を捉えた美しいラストシーンが幸せそうでありつつ、別れを予感させる儚さを感じさせてくれる。
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