[コメント] この胸いっぱいの愛を(2005/日)
主なるストーリーである比呂志の和美に対する思いが、一緒にタイムスリップした他の3人が持っている他者への思いと同じレベルには見えなかった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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比呂志と同時にタイムスリップした他の3人(ろくでなしに成り下がった自分を生んだために死んでしまった母親に対して出産を思いとどまらせようとするチンピラ、近所のおじさんにした迷惑行為を謝罪しようとずっと思っていた青年、生きる希望をくれた盲導犬との再会を果たそうとするおばさん)には明確な意思なり、心にわだかまっていたものへの思いがひしひしと感じ取れたのに。
和美と出会い、彼女のつらさを肌で感じ取り、自分は死にたくもなかったのに死んでしまい、助かるかもしれない命を捨てようとする和美の不甲斐なさに怒りを覚え、やっとこさ自分の使命を認識したという風に見えました。
比呂志が発した「生きたくたって生きられない人間もいるんだ!」というセリフも、彼が死んだから発せられた様に聞こえます。
監督の言いたいことを表現するべきオチもなんだか意味不明でした。あの理想郷のような場所はいったいなにを示唆しているんでしょうか。
生き残った和美の苦しくて辛いシーンが続いたので、最後は口当たりの良いシーンで作品の最後を締めようと、製作者が逃げに入ったような印象を受けました。
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