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[コメント] この胸いっぱいの愛を(2005/日)

いい映画だったかと聞かれると返答に困るくらい主軸が弱い。が、脇はいい。そのあたりは『黄泉がえり』と同じ。ただ、柴咲コウの歌がエンドロールだけだったのはよかった。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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そもそも自分には、比呂志の和美に対する思いが、あの世に往く前にどうしてもしなければならなかったことまでには思えなかった。何というか、たまたまあの時代に戻ってしまったから和美のことを思い出したというか、そんな感じに思えて仕方なかった。だから和美を生きる道へと導く流れも、むしろ自分が死者であることを自覚したことが発端となっていたようで(あの「生きたくても生きられない人もいる」という台詞も、そういった自覚がなければ出てこなかったのではと思ってしまう)なんだか本末転倒という感じすら抱いてしまった。

そんなことだから、肝心の主軸である2人のエピソードには感じるところがなかった。残念ながら。

むしろ1986年に舞い戻った残りの3人のエピソードを描いたシーンの方が印象に残る。その描き方は、何か取ってつけたような感がしないでもなく、そのあたりは残念なのだが、それでも十分に感動的だった。特にあれだけの出演時間ながら圧倒的な存在感を示した倍賞千恵子は見事だったと思うし、初めて会った母の前から消えていく青年の姿を敢えて写さなかったところなどはとてもよかったと思う。

(評価:★3)

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