[コメント] 私の頭の中の消しゴム(2004/韓国)
この映画の魅力は、泣けることではなく、恋愛をとにかく美しく感じさせた雰囲気だろう。序盤から雰囲気作りが効果覿面で、最後まで爽やかな恋愛ファンタジーだった。これはとても良質かつ、デート向きな映画だ。(2006.05.28.)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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序盤の良さがこの映画を決めた! 例えば、数あるハッピーエンドのラブストーリーは、結末が幸せの絶頂であるため、それ以上の幸せなシーンを序盤から中盤ではあまり見られない。しかし、この映画は終盤はアルツハイマー病による悲劇であるため、終盤に幸せの絶頂は訪れない。その分、序盤から中盤で徹底的に男女の幸せな恋愛劇を見せてくれた。主演ふたりが輝き、彼らの恋愛模様、そしてシーンのひとつひとつが眩しい。韓国映画のようではなく、ヨーロッパ映画のような雰囲気が感じられた。鮮やかで美しい恋愛映画だった。
序盤の恋愛描写のテンションをしっかり生かしたまま終盤へと向かい、決して泣かせ演出に走らなかったのも好感だ。ラストシーンに至るまで、リアルを突きつけるというよりも、ファンタジーとして男女関係を描ききっている。本来の僕の好みの映画は、この映画のような展開ならば男の苦悩を徹底的に描いて哀しみを漂わせるものだが、この映画にはそういった痛切さは無用だ。ラストシーンの「愛している」という台詞が、嫌味に感じない雰囲気作りの勝利だ。
泣かせることが目的ではないけど、結果的に多くの観客がこの映画で涙した。結果、泣ける映画として評判になったが、「泣ける」以外の部分を堪能したい映画だと思う。カップルにとって、とっても良いデート映画だ。
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