[コメント] 静かなる決闘(1949/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この作品の要の一つである、藤崎医師(三船敏郎)が看護婦(千石規子)に心情を吐露するシーン。あのシーンは観てるこっちまでが彼の為に何かしてあげたいと思わせられます。そしてそう思わせられた鑑賞者はみな、唯一彼の慟哭を聞いた看護婦になる。そんな鑑賞者の感情を一身に背負った千石規子は、鑑賞者に代わり見事な感情を表現してくれます。鑑賞者と役者が見事に呼応するあのシーンは他に類を見ない名シーンだと思いました。
そして、黒澤作品は大体がそうだと思いますが、この作品もやっぱり台詞が印象深い。特にラストの志村喬の一言は重くシビアで、そして仄かに愛を感じる素晴らしい台詞でした。
それからどういう風にも取れるラストで流れる「りんごの唄」の印象的な事。あの時代にこの唄がどういう意味を持っていたのかすら分かっていない私ですが、しばらく耳について離れない、強烈な印象が残りました。
強烈な印象と言えば、志村×三船の親子役なんて私的には強烈すぎる。煙草のシーンなんかは無駄に涙でした。
ただ一つどうも自分の中で消化出来なかったのが婚約者である美佐緒(三條美紀)の存在。本当に悲しい彼女の立場を思うと、私は胸が潰れそうになりました。それも人生なのかも知れませんが、あまりに残酷すぎる一つの恋の終わりでした。
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08.09.08 記
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