[コメント] 生きる(1952/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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↑は書いた通りなんだけど、内容的にもどうもしっくり来ない。
「生きる意味を知る」っていうテーマと、地味ながらも劇的な構成(死後のシーンはいらんが)。枠組みは素晴らしい。でも肝心の主人公にとっての「生きる意味を知る」ってのが、今まで何もしないで生きてたから「何か作ろう」「何か残そう」「役に立とう」って結論がつまんないんだよね。
多分、些細なきっかけで当たり前のことに気付いたって意味なんだろうけど、生きる意味=何でもいいから役に立つ、で当然のようにしっくりきてた時代ならともかく、21世紀に若者やってる俺に言わせりゃ、そんなありふれた「結論」の為に二時間も迷われても困るのよ。
この作品って「見せ方の映画」なんだよね。「何を見せるか」じゃなくて「どう見せるか」。誰かが「アクション映画だ」っていう褒め言葉を書いてたんだけど、何となく意味が分かった気がする。構成やリズム、見せ方にこだわって、肝心の内容に説得力がないというか、大した意味はないところが黒澤の、恐らく確信犯的な、特徴。それが俺には気になる。主人公が「何」を見つけるかにこだわりすぎてしまった。テーマ自体を真剣に考えすぎて拍子抜けした。だから俺の中では『用心棒』→5点、『七人の侍』→4点、『生きる』→3点となるんです。
最初からそういう作品だと知ってれば評価は違ってたろうから、いつかもう一回挑戦してみます。友達に言わせると「死後のシーンはいらない」って思ってる時点で、この映画の良さがわかってないらしいので。
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