[コメント] 生きる(1952/日)
黒澤に限らずクリエーターの多くは非創造的人間を嫌う傾向にある。創造され生みだされた物の一端を担っているという想像力の欠如ゆえに愚痴るばかりの人間、創造作業の中枢近くにまで入り込める余地を持ちながらもみすみすそれを棒に振る人間、
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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そういった人間から妬まれる立場にある人が、このような映画を作れるものなのか。
三船が百姓相手に「お前らなんてお調子もので・・・」云々ぶちまけるシーンが七人の侍にあったように思う。今作の葬式シーンの終わりあたりで「今日からやるぞ」と言いながら張り切っている連中にはまさにそのイメージが当てはまる。散々人の足を引っ張っぱったり陰口叩いたりしておきながら、一度感動しだすと今までの反動で泣くことすらある。もちろん3日も経てば元通りだ。武が本に書いていた「映画の影響なんて数時間くらいで消える」という考えを黒澤も持っているのだろう。
この映画は客にとってのファンタジーであると同時に、感動を胸に残し続けている人も僅かながらいるだろうと願う黒澤にとってのファンタジーでもあるのではないだろうか。そういったものを感じさせるラストだった。
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