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[コメント] エリザベスタウン(2005/米)

恋愛感情の先にまず理解者である女性。陰影のついた上品な会話にじんわり感動してしまった。
shiono

方向音痴のドライブで、ブルームと土地との乖離が示されるが、地元の人々はみんな知り合いのような田舎において、彼は歓迎を持って迎えられる。にしても喪主でありながら居心地の悪さはかなりのもので、父の故郷でありながら息子が土地に縁がないというのは不思議である。この一家の家族史は最後まで不明瞭だった。

ダンストのキャラの背景は語られないが、職業選択からみても、いいやつなんだけど地元ではやや浮いた存在なのかもしれず、このあたり現代キャリアウーマンの孤独感が投影されているのだろうか。携帯でゆったり熟成されていく会話はなかなかにいい雰囲気だった。

散文的なとりとめのないストーリーにあってテーマを探すなら、商業主義の対極にあるアマチュアリズムではなかろうか。サランドンのタップダンスやアマチュアロックバンドはもとより、親族友人で賑わうその絵が、損得抜きで人生を謳歌している裸足の姿のように見える。土着文化の素朴さ、暖かさ(あるいは頑固さ、野暮ったさ)はアメリカ南部と強烈に結びついて、行ったこともないのに郷愁に駆られてしまった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)緑雨[*]

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