[コメント] ある脅迫(1960/日)
金子が長考する不思議な間が受け手を彼の内面から引き剝がしてしまう。後世の類型からずれる、苦悩する金子の造形は把握しがたい。曖昧な人間像はだからこそ西村と飲んで白木マリと寝て浜村純を襲う夜の工程をこなし、精力が狭い直江津の地誌と化す。
西村晃もわからない。モジモジしても声の気品が威厳を取り戻す。金子に対する態度にはセクシャリティがありすぎる。西村の生来的な女性性が行き場を求めている。最後の車上でふたりは諦念の後に宿命を共にした夫婦となるのだ。
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