[コメント] 熊座の淡き星影(1965/伊=仏)
映画は、近代的でおしゃれなフロアでのパーティで始まる。ヴィスコンティらしくないな、と思うとカメラは大都会の道路から次第に田舎道へと移っていく。何千年にもわたる歴史が澱のように横たわる古都へ観客を誘う。(なんか横溝正史ミステリーみたいだが・・・)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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隔絶された地方での謎の死をめぐるミステリー、ドロドロ人間模様。そうした人間の所業を超然と見下ろすかのようなエトルリアの壮大な遺跡。
しかし映画はことさら謎を解明しようとはしない。確かに存在するのは遺跡と屋敷と銅像。その背後にあるものは謎のまま。それはあたかも銅像にかけられた白い布のように、上から輪郭をなぞることはできるがその本質には触れることはできない。 古今東西、神話に近親相姦はつきものである。姉弟の関係が神話を思わせるのではなく、崩壊し死につつあるこの村に縛り付けられた二人は、そのまま神話の住人になりたかったんじゃないだろうか。
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