[コメント] 男たちの大和 YAMATO(2005/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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男たちの中に秀でた英雄がいない辺りがよかったです。
飯炊き班長や機銃座班長らをクローズアップした戦争映画なんてかつて観たことがありません。反町さんが飯炊き班長? 想像と違い過ぎていい意味で期待を裏切られました。
中村さんも良かったです。『いま、会いにゆきます』とか『あらしのよるに』の彼の仕事振りより、彼はこんな役が似合うと思いました。『ピンポン』以来のはまり役だと思いました。
「生きて帰ってきてごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい」
このシーンが涙腺をピンポイントに刺激してきました。胸が傷みました。
「男たち」がいいのですが、女たちも良かったです。特に蒼井優が良かったです。似合い過ぎでした。
「わしの昭和が今終わった・・・」
仲代達也や鈴木京香らが演じる現代パートは必要か?と冒頭で思いましたが、最後には無くてはならないシーンだと思いました。
極力主義主張から離れたスタンスで撮られたせいか、胡散臭さが余り感じられませんでした。
メカがクローズアップされたシーンではジーンズの膝の部分を強く強く握り締めました。
自転車みたいなペダルやハンドルを手で漕いで漕いで機銃を上下左右に動かすシーンなんて、膝の部分がもう「ぐしょぐしょ」でした。
機銃座の周囲、足元に溜まっていくやや大きめの薬莢や、主砲が発射された後の馬鹿でかい薬莢の排莢シーンなんかはまさに男が見て嬉しくなるシーンだと感じました。詳しいことは知りませんが、何だかリアルに見えました。
ブライト艦長が「左舷機銃、弾幕薄いぞ、なにやってんのっ!」ってよく言ってますが、「機銃座も大変なんだぞ」っと今度から文句言うことにします。
もう少し敵機を撃ち落すシーンが欲しかったですけど、実際、そうそう当たるものではないのでしょう。何せペダルを手で漕ぎ漕ぎですから。気付いたらもうそこに狙った敵機はいないでしょう。
何にせよ、男たるもの、子供の頃に一度は魅せられた大和がココにはあります。
観賞後、「坊主頭もいいな」なんて軽口叩いたら、真顔で「やめてよっ」と一喝する妻が隣にいました。こんな時に一緒になって「刈りなよ、刈りなよ」って言ってくれる女が好きだと思いました。
何となく『「です・ます調」プラス「体言止め」』で、いつものレヴューより丁寧な言葉遣いで書きたくなった映画でした。
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