[コメント] ホテル・ルワンダ(2004/伊=英=南アフリカ)
家族を守るって事は使命でもあり、またエゴでもある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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◆特に凝った撮影やら、ドドーンとしたBGMもなく、いわゆる映画的演出技法はごく控えめに、淡々と日常を切り取って物語は進む。日頃ハリウッドの大作映画を見慣れている目には、ゆるい展開のようにも思える。でもだからこそ、そんな日常と地続きで虐殺という現実があったことが、心底恐ろしい。一歩ホテルの外に出れば憎しみのあまり人間性を失った人々が跋扈しているのだ。そんな極限状態で正気を保つのは容易なことではないと思う。
◆後に「ルワンダのシンドラー」と讃えられるホテル支配人ポールではあるが、映画の中で必ずしも英雄的に振舞っていたわけではなかった。自分の小さな職場と家族を守りたいがために有力者とコネクションを持ち、賄賂や袖の下を使うことも辞さない。これはもう単なるエゴだ。主義主張を持たぬ、ごく平凡な小市民にとってはそうするより他に手はなかったろう。ただ、ポールの場合それは、自分の家族を守ること、家族を守るには一ホテルマンとしてプロに徹することを選んだ。次々とホテルに訪れる難民達をポールは分け隔てなくお客様として迎え入れる。フツ族もツチ族も、大人も子どもも。結果1200名もの命を救うことが出来たのは、もちろん人道的な見識もあろうが奇跡的にも彼のエゴは結果的に良い方向に導いた.....とワタシなりに解釈したのです。
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