[コメント] シリアナ(2005/米)
確かに予習復習を義務づける映画というのも相当に凄い。本気汁がしたたる映画に対してお気楽に批判するのはハズカシくなってしまう。…まあ、ぼくは感心感心。☆4.0点。
本気でイニシアチブを取ろうとする(オピニオンリーダー足らんとする)ところは或る意味<アメリカ>なのね。
4つの挿話はそれぞれに面白い。発展させれば独立して4本の物語になり得るが、確かにこの尺ではそれぞれは食い足りない。オムニバスに出来る話でもない。それぞれの物語は調和が取れてないからだ。ところが実際のこの世は、調和の取れてない(統一テーマなんてない)勝手な各々の物語の総和で出来ている。その調和のない物語の「繋がり」こそがこの映画の主人公であり、そのためそれぞれの挿話は助演に回っているのだ。クルーニーの<助演男優賞>受賞(と<オリジナル脚本賞>受賞)は、アカデミー会員みんながその事を承知して映画を評価している事を表している。(まあその受賞の可否には議論があろう。クルーニー本人の演技が本当に他を圧して助演男優賞に値するか、という議論は…アリだと思う。…)
殆どのひとは自分の舞台で自分の為に生きている。でももし自分の行いが赤の他人と繋がっていて、それが地球を回しているとしたら? ぼくらが彼をテロリストにせずに済み、彼を殺さずに済んだのなら?
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