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[コメント] SPIRIT(2006/香港=米)

李連杰(リー=リンチェイ)が凄いという事だけはよく解った。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







しかしお父さんの功夫も中々だしお弟子さんたちの練習シーンも凄い。中国は層が厚い、奥が深いなあ。

正義とは何か、という視点で見ると、子供に目を奪われて一瞬の隙でやられたお父さんは甘かったとしても決して劣っていた訳ではない。最終的な勝ち負けだけで判断する子供たちは阿呆である。弟子をボコボコにされて抗議しに行き決闘の誓約書に署名しろと迫るのは、誕生日の宴席に多少失礼かも知れないがスジは間違ってない。署名して正々堂々と勝負すればいいだけの話である。追い出そうとする友人が酷い。牛刀でやり合ってるんだから即死しなかっただけでもよかった訳で、逆恨みして主人公の母と娘を殺した敵の義息は最低の下郎である。やり返しても文句は言えないが、そこまで罪のない相手の妻と子供を助けた主人公は立派であった。後で自分の弟子の不始末が発端と判明するが、何れは決着しなければならない相手だった事はお互い百も承知だった筈で、決闘自体は問題ない。最後の武闘会では日本側は極めて卑怯であった。歴史上の事実なら凄まじい汚点である。本当なら心臓狙いのコルク抜きパンチで自分が死んでいたと知った田中某の態度は立派であった。相手の武を尊重しない戦い、礼のない仕合いは悪戯な恨みと復讐心を生むだけだと主人公が悟った事が、この作品の主題だと思われた。

ただ、この「正義とは何か」を問う主題が生きてくるような物語の運び方ではなかったね。… 寧ろ李連杰の技を如何に見せるかが、隠しきれない真の至上命題だった。…

予告篇までは相手に中村獅童では如何なものか…と思ったが、いやはや流石、歌舞伎界出身だけあって上半身下半身の安定感たるや大したものだった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] わっこ[*]

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