[コメント] 風の中の牝鶏(1948/日)
ラストシークエンスの起伏に飲み込まれ思わず涙する。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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修一は階段から落ちて動かなくなった妻を見た時に一瞬死んだのではないかと思ったのだろう。しかし足をひきずりながら登る姿を見て安堵し、あれほど汚らわしく思っていた妻がいとおしく思えたのに違いない。
暴力がいけないのではなく、そうしてしまった自分を恥じる気持ちと二度とそうしないためにどうするかが重要なのだろう。戸塚ヨットスクール擁護じゃないけど、体で知って初めて今まで見えなかったものが見えてくることもあるのだと思う。
しかし今どきあんな古風な女性は滅多にいないわけで、夫婦が身を寄せ合わなければ生きられなかった時代だからこそ説得力をもって描けた世界だな。
なにはともあれ、階段落下から抱擁までの起伏の激しさには圧倒され涙が溢れてきた。親に殴られた時は「コンニャロー」って反発するのだが、しばらくして「さっきはゴメンな」って言われた途端に涙が止まらなくなる感じに似てる。
「笑いとは緊張と弛緩」だと誰かが言ってたけど、涙も緊張と弛緩から生まれるんだなあと発見してしまった。
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