[コメント] マイ・ボス マイ・ヒーロー(2001/韓国)
コミカルな前半のノリに体を合わせると、ヘビーで唐突な後半に頭を強打される。学園生活よりは裏社会に重きを置くストーリーゆえか、主人公が平凡な高校生に化ける危険さは最初から感じないし、友情の芽生えも最後まで見込めない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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教師の体罰が凄まじいわりに、誰もそれに疑問を挟まないあたり、さすがは儒教の国の映画である。その上で学校の腐った上層部とヤクザの癒着に叛旗を翻して罷免され、それを生徒たちがかばおうとするのだから「何だかなー」の一語。ヤクザに立ち向かう教師たちのスローモーションの画面に流れる「♪我が師は我が父親だ」という歌。このあたりは違和感を感じずにはいられない。
それでいてこの作品は、強引にコメディであることを強調するのである。アニメで皆の前で魔法を使った魔女っ子は友のもとを去るのだが、そういう潔さはこの映画にはない。主人公はそのまま高校に通い続け、卒業証書をもらうのだ。それまでに教師たちはどうなったのか、退学させられた女生徒は復学できたのか、その顔を学校で見せるくらいででも説明して欲しかった。
でも、そんなことはどうでもいいのだろう。主人公は高校生になったヤクザではなく、高校生の皮をかぶったヤクザだったのだから。
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