[コメント] パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト(2006/米)
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前作では、呪われた海賊たちは自らにかけられた呪いを解くために、必死になって金貨をかき集めそのために戦ってきた、というバックボーンが感じられて、重層感があったが、今回は「さまよえる幽霊船」など、著名度抜群の伝説を持ってきた割りには、いったい、あれは何のためにさまよっているのか、全然わからないから、ただただ暴れまわっているだけにしか思えず、いささか薄っぺらな印象がある。
ひょっとしたら3作目ではそれなりの答えが用意されているのかもしれないが、もしそうだとしてもそういうやり方をとるなら、はっきりと「前編」という形にすべきだろうし、ちょっとあざとい感じもする。
小ネタもきいてるし、大掛かりで豪快なアクションもあってけっこう楽しめる。ただ、これだけでは完結してなくて、3作目へと直結したラストにはいささかあ然としてしまった。
そういうところは気にはなったが、しかし、全体としては楽しく見れる一本であることには間違いないし、夏の娯楽映画としては文句なく一級品だろう。
それに「ジャック・スパロウ」のとぼけぶりとジョニー・デップの飄々さがよく合っていて、彼のはまり役という気もした。
後、多くの方も指摘されているが、『スター・ウォーズ』シリーズ、特に『帝国の逆襲』とダブって見えるのは如何ともしがたいが、これはそれだけ「スター・ウォーズ」が物語としても優れた魅力を備えていた、ということじゃないだろうか。
それにそう感じるのは、なんだかんだ言っても「スター・ウォーズ」の最初の三部作をリアルタイムで見た世代であって、きっとこの映画をまず先に見る子どもたちの世代では、後に「スター・ウォーズ」シリーズを見て、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の源流を知り、80年代SFにハマッていくんじゃないだろうか。
例えば、70年代の日本のSF系マンガには実はかなり50〜60年代のアメリカのSFのアイディアを取り入れたたり、パクったりしているのがかなりあるのだが、少なくとも私は、その70年代の日本のSFから入って、さかのぼってそれらのSFにたどり着いてハマッっていったからなあ。
と、懐かしげに昔を振り返ってみたりして、ますます夏休みの映画としてはぴったりのような気がしてきた。
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