[コメント] フラガール(2006/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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おそらく旧秩序から新秩序に移行するさいに、新秩序に乗り遅れる人たちというのはおそらく旧秩序の中心にいる人たちなのではないだろうか思う。そしてもっとも新秩序に追いつく人たちというのは、旧秩序においては周辺的な立場にいるような人たちなのではないかと。この映画では2つの変化が描かれていたと思う。1つは産業構造の変化であり、もう1つは男性と女性の間の地位の変化(女性の地位上昇)である。炭鉱が廃止になった際に、もっとも抵抗したのは当然ながら炭鉱で働いていた成人男性であり、またもっとも早く適応したのはおそらく炭鉱労働から遠い場所にいるであろう若い女性たちであった。またそれは同時に男性と女性の間の地位の変化でもある。それまで男性や家族に縛られ、おそらくもっとも従属的な地位にいたと思われる若い女性は、その変化によって今度は一気に主流の立場となり、その立場が逆転する。ある秩序の変化はある人たちにとっては絶望的であるが、またある人たちにとっては希望となりうる。この映画においては、その両義性が描かれていたが、重きが置かれていたのは希望なのだろうと思った。
そしてだからこそ、夕張に行ってしまったあの女の子がとても不憫に思えたが・・・それは従属的な地位に甘んじているということもあるが、そこから脱出できるかもしれないというチャンスがあったにもかかわらず・・というために、余計そう思った。
蒼井優は「花とアリス」でもバレエのシーンがあったが、今回の踊りのシーンもすばらしかった・・
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