コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] LOFT ロフト(2005/日)

黒沢清の『となりのトトロ』(レビューには本作とトトロのネタバレがあります)
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







田舎の古びた一軒家に住みはじめた中谷美紀。 『トトロ』の場合はお父さんが作家でしたが、本作は彼女が作家です。ただ、作家である意味は全然ない気がするのですが。

やがて彼女は、マックロクロスケというオバケ(安達祐実)を見るようになります。 そして、となりのトトロ(ミイラ)に出会います。本当にとなりにいます。 また、クラスメイトの男の子(西島秀俊)がちょっかい出してきたりします。アッカンベーしたりします。 さらに、ネコバスならぬネコ目男(豊川悦司)も登場します。

そしていよいよクライマックス。 行方不明になった、前の住人ことメイちゃん(安達祐実)を探すのです。 なにやら、メイちゃんさえ見つかれば万事解決みたいです。 ストーリー的にはトトロ(ミイラ)が活躍すべきはずなのに、何故だかネコバス(豊川悦司)が大活躍するところは、本当に『となりのトトロ』と一緒です。 メイちゃんの行方も何だか分からないことになってきます。「靴が見つかったぞー」「メイのじゃない」とか言いながら、何が何して何とやら。

とうとうネコバスが怪猫になってしまいます。 「なんだか分からないけど俺の中に入ってきた」とか頭の奇怪しなことを言い出します。 穴を堀りながらガッハッハガッハッハ笑いだします。 つられて、観ている我々も楽しい気分になってきます。 そこから後は、彼らが何をやっても何を言っても爆笑モード。 遂に「動くなら最初から言え。ゴロゴロ寝てばっかりいやがって」とトトロにまで悪態つき始めます。なんてネコバスでしょう。 そんなネコバスに、メイちゃんは「地獄まで一緒に行こう」、さつきちゃんは「この世の果てまで一緒に行こう」と言い出します。トトロなんかそっちのけでネコバスモテモテです。

だいたい、こんな話です。あらすじ以上。

「ある視点」を意識した軸のブレた話というのは分かりますが、客から金とる見せ物になっているとは言えません。 黒沢清好きの私もさすがに擁護できません。「ま、つまらなくはなかったんですけどね」と言うのが精一杯。 それでも擁護する旗を振ろうと思ったら、万国旗くらい振らないと。白旗振るよ。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)TOMIMORI[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。