[コメント] ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟(2006/日)
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現在大好評放送中のウルトラマンメビウスの劇場版。実際はTVシリーズ開始前に撮影そのものは終わっていたそうだが、これは面白いことをやった。現在TVで放映している番組に時間軸を合わせ、9月時点2クールが終わった直後の話として本作を持ってきたのだ。TV版は単独でも楽しめるが、この劇場版を観れば、その理解はさらに深まるはず。これだけ細かく時間軸を限定した作品は初めてだろう。
そもそもTV版は「ウルトラ兄弟が登場」が売りだったはずなのに、2クールまでにはほとんど兄弟は登場してこなかった。その辺ちょっと不満も感じたものだが、それはこの劇場版で明らかになる。兄弟の中でも四人は出ようにも出られなかった。と言うのがここで明らかにされた。実は彼らは変身能力を失って地球にいたのだという。なるほどね。
それで宇宙人連合の攻撃で危機に陥ったメビウスを救うため兄弟達も最後の変身を敢行。他の兄弟達も救援に駆けつける。その辺はかなり燃える展開へと仕上げられていた。
メインとなる物語こそ単純だが、その辺の燃え方は、子供から古いファンまで充分満足できる出来。よほどのマニアが作ったか、一々細かいところまで旧シリーズに沿っているところも心憎いところ。ここには書かないけど、かなりウルトラマン知ってないと分からないネタが多く、私くらいの世代だったら心の中で歓声を上げてしまうだろうし、勿論それが分からなくても充分に楽しめる作品に仕上がってる。
特撮ファンとしては、充分すぎる出来で堪能できた作品ではある。
ただ、もう一方の目、映画ファンとしてはどうか?
と言うと、かなり苦しい。
実は物語があまりにも一本調子で、しかもウルトラマンを見せるためだけにあって、出ずっぱりのため、単なるお祭り作品にしか見えないと言うのが致命的な欠陥。実際この演出はウルトラマンでなく、仮面ライダーでも物語は破綻無く出来上がってしまう。子供に喜んでもらおうという演出はよく分かるし、その兼ね合いではぎりぎりの線だし、これ以上は無い物ねだりって気もするが、思い入れ無しの一見さんが楽しめるか?と問われると首を傾げる。
設定とか細かいところにはこれだけ力を入れているのに、物語そのものは完全に子供向けになってしまった。
一回くらいはこう言うのがあっても良いか。と言う感じか?
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