[コメント] 暗いところで待ち合わせ(2006/日)
主演の田中とチェンが若さに似合わぬ深い演技を見せてくれ、ちょっと長めの物語を飽きさせず、ぐいぐい引き込んでゆく。ただ、全般的な他のキャラクターの描き方が些か平板であり、その善悪がはっきりし過ぎていたのが気になった。
こういう話では、けして俳優の演技力に頼ることなく監督自らが人間心理の深みに切り込んでいって欲しい。田中をめぐる状況の彼女なりの推理、というのは必要だったのかもしれないが多少鼻白んだのも否めない。見たかったのはマイノリティの生き方であり、どんでん返しの推理劇ではない。
鮮やかな照明は、それぞれの芝居を効果的にサポートしており、効果的ではあった。
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