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[コメント] 鉄コン筋クリート(2006/日)

昔、私が小学生の頃「鉄筋コンクリート」を言い間違えて「鉄コン筋クリート」と言った奴がおり、クラスで流行ったことがあった。そいつを笑ったのではなく、言い回しが面白いと皆が口にしたのだ。(いじめではありません)
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







世の中で高いビルが建ち始め、「鉄筋コンクリート」という言葉には、新しいもの、希望を予感させるものがあった。(60〜70年代)。

本作の中では、新しいものは‘子供の城'であり、表面的には希望に満ちてはいるが、本当は邪悪なものである。

作者の大洋が何故このタイトルにしたのかは知らないが、単に懐古趣味だったのではないかと窺う。(大洋さんは’67生まれ)。

ただ、この作品には本当の希望がある。ラストの闇が、‘お前にはまだ々力があるぞ'というシーン(私はそう捉えた)は凄い迫力だったが、所詮闇なんてその場限りのもの、クロの手に‘私のこと忘れないでね’と印を残す位のものでしかないのだ。

本当の希望の力は、純粋で素直で持続するものだ。それをシロが具象化している。

私的にはネズミが良かった。涙した。その町で育って、その町を大好きな者は、移り行く時代の前には滅びて行く(死んでいく)しかないのか!

あの頃の同級の1人が地元に残って、町内議員をしている。早々に故郷を離れた私は、一時彼に連絡を取ろうと思ったが、今はもうそれは考えていない。彼はネズミではないのだ。むしろ、昔の町の風景を心の中に残している私の方がネズミか、なんて思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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