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[コメント] どろろ(2007/日)

原作未読。だけど、こんなに健気に「男の子を演じている女の子」を演じた女優を観た事がない。この映画の主役はCGでもワイヤーアクションでもニュージーランドの大自然でもなく、どろろを演じた柴咲コウだ。ところでアレ、7つ子ですか? CGですか?
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







全くの予備知識なし。原作が手塚治虫のコミックであることも知らなかったぐらい。 誰が主役で誰がどろろなのかも知らないという有様。単に「『あずみ』みたいなもの」だと思って試写会に行ってきた。

原作コミックではどのようにどろろが描かれているのかはわからないけれど、柴咲コウが演じた「どろろ」は間違いなく「どろろ」だった。

幼少の頃、目の前で父が惨殺され、逃亡の末にたった一人の肉親である母までもが行倒れ。その日以来、再び「女」でありたいと思える男と出会うまでは「男」として強く生きることを誓うどろろ。

この複雑な設定を柴咲コウはその勝気な表情と男の子言葉と、いつもの「子供のように」自然と溢れ出すでとっても上手に、否、どろろと同じように健気に男の子を演じていた。

映画自体も2時間40分という尺の長さも全く苦にならず、原作未読でもすんなりとその世界観に入っていけた。原作の素晴らしさもさることながら、割愛する部分はばっさりと、詳細に描かなくてはいけない心理描写は時間を掛けて、といった製作陣の手腕によるところも大きいと思った。

難がないわけではない。ストーリーが理解できた直後から、もっとおどろおどろしい描写を期待してみたが、百鬼丸の臓器や手足のCG描写は大したことなく、ほとんどがシリコン樹脂っぽいお人形。。。『ブラックジャック』の実写版のピノコよりしょぼんな感じ。何ゆえの曇りガラス水槽越しの描写なんだか(笑)。

なんたらの動く城みたいな醍醐の本拠。

荒野に植えてみました〜的な赤い花(名前シラネ。)

百鬼丸を取り囲んだ人々(村人・醍醐の侍達)の頭数の少なさ。

魔物に変化しつつある中井貴一の羊毛のような、和田勉のようなヅラ。

それでも全く興醒めしなかったのは、役者陣の演技力のお陰だと思う。

邦画・時代モノ・原作コミックと共通点が多いせいか、無知な僕はつい『あずみ』と比較してみたくなる。あの映画にも★5をつけたが、見直さなくてはいけないや。単純に上戸彩がどろろじゃくて良かったと思う(笑)。あと、妻夫木君繫がりか、やたらとホリプロのお笑い陣の出演が目立ったが正直イラネ。

何にせよ、だ。柴咲コウマンセーな映画だというこった。ててんてん。

あと24体(笑)。。。

どうか続編(があるなら)の監督はじめ製作陣・出演陣をむやみに変えないでください。

それと、刀剣のぶつかる音と火花エフェクト、良かったです。もっとやれ!

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2007.1.24 追記:原作コミックを全巻既読の友人に映画のことを話したら、「原作も「あと24体」で終わるのよ」だって。。。

寂しいやらホッとしたやら。。。

(評価:★5)

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