同監督・同人物のドキュメンタリー映像を見たが、そのドキュメンタリー映像で本人の口から語られている言葉が映画本編の台詞になっているものが多い。

　事実をベースにした物語というのは結構作り手側の想像によって作られたシーンが多いものだが、この作品に関してはシーンが想像だとしても、そこでマンローが話す言葉は本人がドキュメンタリーで語った言葉だったりするから、マンロー自体のキャラクター性は下手な脚色が為されていない。

　加えて名優アンソニー・ホプキンスの「ハッピーな演技」が、マンロー像をより魅力的なものに仕上げている。観ている側としては次第にマンローというキャラクターが好きになっていくという寸法で、そこらへんに監督の愛が感じられる。

　ロードムービーは苦手な私だが、この作品は飽きずに観られた。