[コメント] ドリームガールズ(2006/米)
なるほどジェニファー・ハドソンの存在感は世評にたがわず圧倒的で、彼女が一声発しただけで目頭が熱くなるほど心ゆすられた。R&Bバカ・アーリーを好演するエディ・マーフィーと駆け出し三人娘の初競演シーンの高揚感で一気に引き込まれるのだが・・・
しかし、一旦ジェニファー・ハドソンの重量感(?)でエフィーの側に傾いてしまった物語の天秤は、中盤以降の展開の核となるべきカーティス(ジェイミー・フォックス)の画策と、スターの座へと駆け上るディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)らにウエイトが戻ることなく終始バランスを欠いたまま物語が進む。
支点が定まらなければ視点がぶれるわけで、これではエフィーの挫折と対を成すはずの、金とコネがもの言うショウビジネス界を成り上がるカーティス(ジェイミー・フォックス)の逆差別的豹変ぶりと、白人音楽にすり寄りながらもスターの座へと駆け上るディーナ(ビヨンセ)ら新ドリームガールズの戸惑いと葛藤が見えてこずイライラ状態が最後まで続く。
せっかくのシネマスコープ画面が、バストショットやアップを多用する歌唱シーン、挟み込まれるイメージショットの凡庸さで活かしきれていなっかたところにもミュージカル映画としての物足りなさを感じる。大好きなタイプの作品だっただけに非常に残念。
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