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[コメント] アラジン(1992/米)

かつてこれを観て、新生ディズニーを見捨てようと決心しました。う〜、それにしても先をこされてたか。「パパラパア〜」
甘崎庵

 「千一夜物語」をベースとしたアニメ作品と言えば…「シャザーン」とか、「シンドバッドの冒険」とか…年齢が知られる(^^;

 …とにかく、「千一夜物語」はスペクタクル的派手さを持ちつつも物語の質が高いため、よく映画化される題材だが、大概エキゾチックな雰囲気ばかりが強調される傾向にあるのが悲しい。

 で、「アラジンと魔法のランプ」を題材としたこの作品は見事なほどに思っていた通り。しかも悪い方向に見事に合致していた。オリジナルの良さをずたずたにしてディズニー調のステロタイプな物語にしてしまうとは…

 いや、ステロタイプが悪いとは言わないんだが、何でイスラム世界を題材を使ってアメリカ的正義を振りかざす?そりゃ、アメリカ人に見せるための作品だから、それで仕方ないのだろうが、これじゃほとんど多神教の世界観。よくイスラム圏の人たちがこれ観て怒らないもんだ。

 あくまで一神教を貫き、魔神(ジーニー)でさえ唯一の神(アッラー)に仕えるのがイスラームの世界観。王(スルタン)は神から地上の全権委任された存在なので、地上のあらゆるものは王の命令を聞かねばならないし(特に神に仕える意識が強いジーニーは、それがたとえどんなに情けない存在であっても、自分の能力が許す限りは王に仕えねばならない)、神に仕えると言う意識なしに自分の欲望もあり得ないのがイスラームの世界観。王に反逆すると言うこと自体が「千一夜物語」の概念の中にはない。

 ただ、一応そう言う世界観を無視さえすれば、アニメーションの質は高いし、展開もスピーディ。声優に至っては言うに及ばず。その意味では面白いとも言えるんだが…

(評価:★2)

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