[コメント] 今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006/米)
カントリー&ウエスタンというと、カウボーイがギター弾いて歌ってた音楽、な~んて思ってる人もいるかもしれないけど、それはサムライが演歌を歌ってたと思うようなもの!
カントリー歌手のコスプレ・カウボーイ野郎どもだって、演歌歌手がキモノを着たがるのと同じことなんだよなあ。
カントリー&ウエスタンって、世間一般的には第二次大戦後に人気を得たジャンルで、その発生だってどんなに遡ってもせいぜい1920年代まで。だって、その根っこのところは、資本主義経済の発展につれてムラ的人間関係が廃れて社会が再構築されていき、その中で個人が孤立し苛まれていく虚無感にあるわけで、何もただ陽気に楽しく「ヒャホ~ッ」とはしゃいでいるような音楽じゃあないです。念のため。
それが、同じくアメリカ発で世界に広まったブルース、ジャズ、ロックンロールなどと違って、アメリカ以外では一般的な人気を得なかったのはどうしてだろう? またそれが近年リバイバル傾向にあるのはどういうことなんだろう? そんなことをなんとなく考えながらこの映画を観ると、以前は自分とはかけ離れた感覚の遠い世界だと思っていたコスプレ・カウボーイ野郎どもも、ちょっと近しい連中のような気持ちにもなるのでした。
最高の映画でした。
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