ロバート・ケネディの演説シーン。全て当時の映像にしたのはなぜなのか。端的に言えば、なぜ「ロバート・ケネディ」役の役者を立てなかったのか。

途中に出てくるシーンはまだしも、最後のアンバサダーホテルでのシーンにおいては本来、映像の画像レベルを変化させるべきではないはずだ。今と当時の映像が入れ替わり立ち替わり出てくることによって、臨場感が削がれてしまっている。はっきりと役者を立てたくないならケネディがアンバサダーホテルに入るシーンで使ったようなぼやかしの画像処理を使ったり、ケネディ目線のカメラを用意するなどの手段があったはず。

厨房で狙撃された後に流れる音声のみのスピーチは確かに心に強く残るものだ。だとすれば、それを「邪魔」する要素は極力排除すべきであり、非常にもったいなかったと思う。

ただ、ここまで敬愛される政治家が日本にいるかと考えると、情けない気分にもなるものだ。

そのほかの部分については、特に言及する事はない。「グランドホテル」形式としてオーソドックスなものであり、可もなく不可もないレベルである。