見終わったあとは強烈な孤独を感じて、不覚にも涙が止まらなくなってしまった。

最近、正直、誰かの映画の感想を読んで思考や感情をかき回されるのは“めんどくさい”と思っていたし、誰かに自分の感動を分かってもらうのも“めんどくさい”と思っていたし、シネスケからも遠ざかっていたが、久しぶりにシネスケが読みたくなった。 誰かと繋がっていたい…観ている者に切実にそう思わせるような、そんな巧さがあったのだと思う。

前作では、監督の得意分野を不得意分野に無理にねじこめようとした変な違和感があったけれど、本作は得意分野を得意分野で勝負したからものすごくねちっこかった。 この監督についてよく知っているわけではないが、まさに果汁100％ならぬシンカイマコト100％で、一歩引けばそれは“キモチワルイ”のかもしれないが、でも、ど真ん中にいた私にはそこが心地よかった。

前作で初めてこの監督の作品に触れたときは、監督自身の前評判の高さと比較して「…これが？」という感じだったが…うん、才能あるね、この監督。 大満足。