[コメント] サンシャイン 2057(2007/米)
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娯楽作品としては何らかの「アクシデント」が作り手としては欲しくなるわけで、「寄り道をしたことによって悪い方向に話が進んでいく」という流れにしたかったのはわかる。だが、散々リアルな映像や設定を見せられているのに、「1つより2つが確実」という安易な選択を中途半端なディスカッションだけで決定するのはリアルさに欠けるのではないか。
通常であれば地球にいるスタッフとも協議した結果、当初の予定になかった活動、この場合はイカロス1とのランデブーとなるわけだが、地球とは通信が行えないところではクルーたちの判断に委ねなければならない、というのは一見間違っていないように見える。でも、「1つより2つが確実」な根拠が薄すぎて、とても専門家たちが下した判断に見えない。ここは一発コンピュータに「1つより2つが確実」「イカロス1を救出するとミッション成功率が高くなる」「その際に失敗するリスクもかなり大きい」というようなことを宣言させて、最後は人間が判断する、という流れにすれば随分まともになったかと思う。
加えてイカロス1の船長が生きていてモンスター化していたのも、後半の『エイリアン』的な流れを作るのには必要なファクターだったと思うが、『イベントホライズン』ほどの荒唐無稽な前振りがないので、無理矢理船長をモンスターにした感が否めない。
登場人物を死に追いやる前提でアクシデントを考えるのは仕方がないが、リアルさを追求している割にアクシデントがほとんどリアルに見えないのが残念。とってつけた感がある。惜しい。
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