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[コメント] ツォツィ(2005/英=南アフリカ)

悪童の再生物語という構図はもちろんだが、本作に潜んでいる構図は「愛する資質」ではないかと思う。愛するという事は一つの自己犠牲であり、他人犠牲や自己満足とは違うのである。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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生活や信条を変えるためには、とても大きなショックか相当程度の長い時間が必要になる。他者の犠牲の上で生活をしていたツォツィにもそれは同様であり、赤ちゃんを自宅に運んでからも、それは変わらない。

ツォツィは赤ちゃんを愛そうとはするものの、その方法論はそれまでの自分の流儀に乗っ取ったものや自己満足ばかりである。だからこそミリアムに「あなたはお母さんにはなれない」と言われるまで、その当たり前の事に自覚がない。

ラストシーン、ツォツィが頭上に掲げた両手の先は明るい。それが愛する資質について自覚を持ったことも表しているのではないかと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)林田乃丞[*] セント[*]

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