かなり期待して見ましたけど、やや外れましたね。。

中村ゆりのエピソードが主体だったと思う。しかしそれも芸能界話ではよくある話で、在日でなくても例えば田舎娘が上京してきて騙されて・・なんてドラマや物語もあったかと思う。

ただ、中村ゆりと西島秀俊の会話はとても自然で面白かった。ホテルのケンカの場面で、西島秀俊の「人間の種類が違うんだから・・」は重要だと思いました。 結婚などする気がさらさらなく全く当たり前のように人間の種類云々を言う西島秀俊、その言葉に強く失望する中村ゆり、画面半分に映る車中の泣き顔、ラサール石井の待つホテルへ。ここはよくある話なのに、上手くできた脚本と演出で私的にはかなり面白かった。

舞台挨拶での中村ゆりの告白は、当時現実には全くあり得ないし、それこそ御伽噺で映画的（？）だし、ヤップ島の戦闘シーンを織り交ぜる手法もあまり成功してるとも思えない。前半マッタリでエピソードを織り交ぜながら、ラストの舞台挨拶で全開！な大枠は、残念ながら不発に終わってると思いました。 全体的に前作よりトーンダウンしていて散漫で脚本の出来がもう一つだったように思います。

それでも、上映中は良く笑い、涙しました。 ラストの♪♪いのぉちぃ〜かけてとぉ〜ちかぁった日から〜〜・・・・あの〜すばぁらしい〜愛をもう一度〜〜♪♪は心に染み入るよい選曲でした。。 映画を見終わってからもずっと頭の中で鳴り続けました。

芸能人の実名を出しての「あの○○も在日なんよ」、ラサール石井の「あの目つきは三国人の目つきだ」、済州島での強制連行の様子など、ちょっと尖がってるのは残念ながらマイナスにしか作用しませんでしたが、 映画製作の姿勢やテーマは間違ってはいないと思います。

家族愛、同胞愛、一人ひとりの人生、愛と平和と命は、永遠に普遍なテーマです。 差別の歴史を等身大で描き、その上で愛と平和を、これからも堂々と直球で勝負して行って欲しいと思います。