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[コメント] 大番頭小番頭(1955/日)

タイトルが示す通り、大番頭役の藤原釜足がある意味主役。学卒新人の小番頭である池部良や、主人・伊藤雄之助と同等レベルの比重で描かれる。
ゑぎ

 亡くなった先代(と云っても伊藤の兄)の未亡人である若山セツ子がヒロインだが、中盤になって若山の妹役(高校生)で雪村いづみが登場し、シーンをさらうのだ。彼女は九州から修学旅行で上京し、仮病を使って店(姉の元)に運び込まれ、そのまゝ居つくという設定。撮影当時は17歳ぐらいだろう、とても朗らかで、常に笑いながら科白を云う演技が素晴らしい。また、2曲のミュージカルシーンが用意さているのだが、陽気に唄う雪村の横で、池部良が終始ブスっとして見ているだけ、というディレクションがとてもシュールなのだ。たとえ、非現実的になっても、ニコニコしてリズムに乗る、というのが普通の演出だろう。鈴木英夫の演出は、矢張り普通ではない。

 池部と若山が墓参の帰り、寺の大きな瓦屋根をバックに歩く姿を正面後退移動で撮ったカットは力強く美しいカットで、明記しておきたい。

#備忘でその他配役を記載。

・池部良の母親は村瀬幸子。父親は御橋公。小番頭の中で目立つ2人、館林くんの方が南道郎。もう一人は国友昭二か。

浪花千栄子は置屋の女将?大阪弁をあまり喋らないのか、と思っていたが、後半では、そんなことない。藤原の母親は三好栄子。本作ではあまり目立たない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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