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[コメント] スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい(2007/英=仏=米)

バイオレンス描写や映像センスはなかなかだが、それをサスペンスとして生かすのか、コメディとして生かすのか。どちらもバランス良く入れ込もうとするので、結果的に中途半端になってしまう。(2007.05.12.)
Keita

**ネタバレ注意**
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序盤はなかなかワクワクさせてくれる仕上がりだ。イズラエルというひとりの男を狙う複数の暗殺者たちを、登場人物の会話からスムーズに紹介していく。場面ごとのつなぎ方に切れ目がないので、単なる人物紹介以上に面白い。ここで紹介される暗殺者の個性も、ユーモアに溢れたキャラクターが多く、その後の展開に期待させてくれるものだった。

だが、ストーリーを展開させる上での焦点が定まらない。要は、ひとりの男を暗殺する過程をじっくり描くサスペンスなのか、その暗殺よりもキャラクターや場面の個性を生かしたコメディなのか、ということだ。

僕は後者だと思っていた。クエンティン・タランティーノガイ・リッチーがやるような映像のセンスによってクールに見えるが、実はかなりユニークなコメディというスタイル。

暗殺者のキャラクターがそういったことを予感させたが、真面目な部分は意外と真面目。イズラエルの心情などを描いていたり、観客を驚かせるための真面目なオチがついていたり(結果的には空転したオチだったが…)。

それでいて、チェーンソーを使った殺戮シーンで血が異常なまでに飛んでいたり、ベン・アフレックの死に顔で遊んでみたり、空手使いの謎のメガネ少年が理由もなく登場したり、お遊び的要素も随所に含まれていた。それらをもっと生かして、内容はないけどクールで楽しいぜ!、といった映画に持っていくべきだったように思う。

ジョー・カーナハン監督の前作『NARC』は未見だが、どちらかというと真面目で硬派な映画の方が向いている監督なのかもしれない。コメディ要素の入れ方、生かし方を掴みきれていなかったのだろう。

(評価:★2)

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