[コメント] 300 スリーハンドレッド(2007/米)
お腹いっぱいDEATH!
ズドーンと槍で突いて血がブシャー!盾でゴーン!次の敵はどんなの?わーすごい恐いキモイ!やっつけろスパルター!ぐるぐるドーン!ブシャー!
……ひとつの物語として見たらダメな部分ばかりでとても感心できるような話じゃないんだけれど、土台スパルタの彼らは選民&洗脳というプロセスを経てそこに立っているわけで、どれだけ心情や動機付けを掘り下げようとも現代に生きる私たちが共感できるはずなどなく。思い切ってドラマを切り捨てたのは正解に思う。
そこにあるのはただ「自分の群れを守る」という動物としての本能のみ。ただし、人間が動物と違うのは分別があり、統率と謀略があること。いわゆる理性とか理知とか呼ばれる種類の、人間特有の能力だ。私たちにとって理性と本能というのはわりと対極的で、相反するベクトルに向く場合が多い。そこに葛藤や迷いが生まれ、ウジウジと苦しむことになる。だがスパルタンの場合、理性と本能が完璧に同じベクトルを向いている。だから彼らには迷いがない。迷いがない人間は、見ていてすこぶる気持ちがいい。
あるいは『300』という映画を見るとき、彼らのこの葛藤や迷いのなさに悲劇を見出すこともできたかもしれない。けれど、たまには何も考えず、目の前で展開される圧倒的な「暴力」に身を任せるのもいいじゃない。手に汗握り、血沸き肉踊り、あっという間の2時間でした。
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