まず阿倍サダオを主役として抜擢した点が評価される。

そして堤真一、柴咲コウなど、こういう映画に馴染まないような俳優が頑張っている点も面白い。

そして何より植木等が出てくるシーンにグッときた。

植木等の生前に色々なドキュメンタリーが紹介され、本人の口からも黄金時代のことを語る場面があったが、彼の生真面目さは業界の中でも有名だった。

東宝の黄金時代を支えたあの日本一シリーズのキャラとは無縁の生真面目さ。

そして晩年、多くの映画人に愛されたその卓越した技量。

そしてこの最後となる映画でも彼の生きざまが一瞬映し出されていた。

このシーンだけでの価値ある映画だと思う。