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[コメント] アポカリプト(2006/米)

眼を背けるな。この圧倒的な生、そして死。
TM

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ある者は愛する者を奪われ、あるいは目の前で辱められる。奴隷の死にはわずかな意味さえ与えられることはない。奴隷の命は、ただ民衆を煽るためのその場限りの言葉と下卑た笑いの前に意味もなく奪われるのだ。奴隷となった者達と一緒に歩き、自分の胸もえぐられるような感覚を味わった。しかしこれらは今も終わりを見ない侵略と支配の歴史の中で、おそらくごく普通に行われてきた出来事だろう。予言は現実となった。しかし英雄は生まれない。ただ、繰り返す歴史の節目を示しただけだ。それでも、歴史に名を残すことのない彼らの生と死は僕を圧倒し、強い輝きを持って僕の生を照らした。

願わくば、この映画から眼を背けないで欲しい。価値や基準の消されてしまった今を生きる僕たちにとって、あの輝きはまさに希望だと思うから。そしてあの下卑た笑いを嫌悪することこそが生の証だと思うから。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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