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[コメント] キサラギ(2007/日)

筋書きは面白い。けど、脚本は筋書きだけ良ければ良しなのかな。ということをあらためて思った。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







セリフの端々やお約束的なネタに、センスの無さが露呈しているような気がするんですけど。

いや、そんなことよりも言いたいのは、ほぼワンセットの舞台ながら、いわゆる「密室」でやっている、という緊張感がイマイチ感じられなかったこと。以下理由を考えてみました。

・回想シーンを盛り込めば盛り込むほど、場の空気は煮詰まらずに弛緩していくものだと思うのですけど。物語の性質上しょうがないのかもしれないけど、それでももう少しその「場」だけで踏ん張って、観客の想像力を信頼して欲しかった。

・いろいろな角度から撮る=優れた撮影、というのは何か違うような気がする。そう撮ると何が得られる、ということに意識的でなければ、本当の意味で場を立体的に再現はできないと思うのだけど。

・舞台の使い方がもったいない。いちおうワンセットの中にも様々な要素があるワケで、その要素のほとんどが有効に使えていない気が。ロフト部分なんていかにも有効に使えそうで、ほとんど使われてないし、窓の外もとってつけたような雷だけだし、そもそも塚地が何度も出入りする部分の薄っぺらさ。何度ドリフを思い出したことか。

・・・いろいろ考えた揚句、これは別に優れた密室劇を目指してつくられた映画ではないのかなぁ、とも思った。けど、いかにも「さあ、これからここで密室劇が始まりますよ」的な冒頭の入りを考えると、そんな言い訳も通用しないと思います。

※話の面白さは、皆さんが充分に言及されていて付け加えることも特になかったので、割愛させて頂きました。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)アブサン けにろん[*]

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