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[コメント] 恋するマドリ(2007/日)

若さゆえに負けん気があって少々思い込みの激しい女の子と、彼女を巡るおとなたちの物語。乙女チックラブコメの王道の雰囲気たっぷりで、ヒロインの一途さと少々の身勝手さがなんとも可愛らしい。漫画的であることはちっとも悪いことじゃないのだ。
水那岐

内海桂子の小粋な小母さんぶりや、運輸会社勤務のレスラー達の演技もいちいち愛らしい。こういう描写は女性監督の大九明子ならではのことだろう。

漫画的な描写については、映画のほうが漫画より優れたメディアであると思い込みたがっている連中には、はっきりと門外漢として嘴を突っ込んで欲しくないけれど、結局映画も、漫画も演劇も文学も、若い女性はわけ隔てなく情熱を注いでいるということだけなのだと思っている。そもそもジャンルで文化の優劣を測るなんて馬鹿馬鹿しいことは、これからの日本を担う若者にこそ避けて欲しいし、そんなことを気にせず自らにあったジャンルで自分を表現する若い才能の呼吸を目にすることは、自分の大いに楽しみにしていることなのである。

ひとつ気がついたこと。松田龍平は皆が使いたがる奇を衒った役よりは、こんなちょっと頼りない若者の方が真価を発揮するようだ。

(評価:★4)

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