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[コメント] サイボーグでも大丈夫(2006/韓国)

ポップな色彩と音楽で観やすくなっているものの、かなり陰惨な物語。だからこそ、失われた時間の再生を果たそうとする若者たちの姿は鮮やかに映える。
林田乃丞

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 中盤まで変な映画だなぁと思って眺めていたものの、驚くほどストレートに「支え合い」の尊さを説かれ、迂闊にも泣いてしまった。スイッチが入ったのはイルスンがあの機械を作る場面。自分にとって絶対的タブーだった母の写真も、電気工事士として社会生活を送っていた過去も、全部ひっくるめて好きな女のコのために捧げますというこのシーンから映画は「受け入れること/受け入れられること」を実直に語り出している。靴下を手渡すことでふたりの短い旅は始まり、最後には靴下を脱いで雨上がりの空を見上げる。誰かを引き上げるのではなく、共に寄り添って歩くということ。何かこう、感想を書いてて無性に照れくさいのだけれど、ああ、まっすぐなラブストーリーを観たなぁ、という感じです。

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「希望を捨てろ、元気を出せ」って、すごくいい言葉だと思う。

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 大虐殺シーン、中庭を逃げ惑う“ホワイトマン”たちが次々に血祭りに上げられ、患者たちがその周りで踊っているのを俯瞰で捉えたショットは最高でした。サイボーグ彼女に製造番号があるとしたら、きっと“37564(皆殺し)”だね。おそまつ。

(評価:★4)

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