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[コメント] エディット・ピアフ 愛の讃歌(2007/仏=英=チェコ)

品格のある映画だ。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







昨今日本はもっぱら品格ブームだ。 何でも品格とタイトルにすれば売れると思っているのか、この発想が日本的だ。さすがに辟易してくるが、果たしてこの映画の持つ品格とはわけがちがう。

主人公のシャンソン歌手のことは小さな記憶でしかないが、このドラマの主人公は明らかに格差社会の申し子だ。そしてその成長過程はまさに世間の求める世界とズレが生じている。しかし本人は歌が好きで、その歌のおかげでますます自分らしさを失ってゆく。

この辛さは類を見ないだろう。

生きるためにうたい続けた彼女の一生はドラマにするにはあまりにもリアルで辛い。そして晩年(といっても40代らしいが)のそのみじめな姿は、また見る者の胸に複雑な棘を刺す。

これこそ品格のある映画だろう。その風景、セット、キャスト、いずれも品のある者達の努力で作りだされている。

その中に日本人の名前があるのもうれしい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)りかちゅ[*] りゅうじん[*]

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