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[コメント] ドライビング Miss デイジー(1989/米)

人種差別をセリフ&演技に埋め込んだ凄く分かり易い展開。人それぞれとは言うものの、セリフとセリフを言う時の仕草に堂々と隠された“メッセージ”を読みとれない人は、ぶっちゃけ不幸かと。どうせ見るなら作品から幸をいただこうじゃないか。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
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男女間の友情は年を重ねるごとに可能になるのかもしれないとまず実感。そして友情と共に、二人の間と周りに優しさが芽生える瞬間瞬間に、作者の温かい視線を見いだせると思う。踏み込んだ内容を求めようとも、それはこの映画の役割ではなくて、この映画の役割は、「年を重ねてもタダで博識は手に入らない」「相互理解の可能性の大きさを示す」ことだろう。

一見博識かと思わせて結構無知な白人の御婦人と、市原悦子を軽く片足で超える家事能力に富み、博識でリアル社会の生き証人な運転手。序盤はそこまで明らかではないのだが、話が進みこのギャップが鮮明になればなるほどに、この作品に刷り込まれたメッセージがダイレクトに伝わり「人種なんて関係ないし、友人間に於いて身分の有無など関係ないのだ」が体に染み渡った夢心地を体感できました。

確かにモーガンフリーマンに賞がないのはどうかとは思うが、及第点の演技だったのも確かだし、別にこれと言って言うことはない。そこに“差別”とかいうワードを並べ立てても、所詮賞レースの産物が、作品を崇高に万人の心の神棚に陳列する効果を発揮することもないから同じ事。純粋に見れば良くできた、人種の壁を無にしてくれる効果も存分に持った映画だと思う。

2003/2/3

(評価:★4)

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