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[コメント] ジャイアンツ(1956/米)

3時間を超える上映時間ながら長さを感じさせない、1クールドラマをすべて凝縮した家族ドラマ的なストーリー展開は今見ても秀逸。
わっこ

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テキサスの大牧場主と結婚した女性の姿を描いた映画。 3時間を超える上映時間ながら長さを感じさせない、1クールドラマをすべて凝縮した家族ドラマ的なストーリー展開は今見ても秀逸。 普通、映画でこれだけエピソードを詰め込むと肝心のストーリーの方が中だるみで中途半端になってしまいがちだが、この映画はストーリー方も大牧場主であるが故のビッグのプライドや親のいうとおりになりたくはない子供達の自立心といった伏線がストーリーに影響されていて最後まで目が離せなかった。 最初はビッグの牧場に嫁いだレズリーの生き様を描いた映画かと思ったが次々に登場するキャラがレズリーにも多大な影響を与え映画の展開も大きく変化するのはなかなか興味深かった。 不満な点を上げるとすればこの映画でも先住民との人種差別を取り上げているがその人種差別の描き方が今一つ弱く、先住民族が白人に色々な場所で断られている場面が度々出てくるのだが、人種による世間体をあれだけ気にしていたビッグが最後になってなぜそんなこともどうでもよくなってしまいその場で先住民の一家を助けたのかが今一つ理解できない。 ビッグの心が広くなったと取れば別に問題があるわけではないのだが、前半から描き方からすればビッグはかなりの頑固者でとても今まで理解できなかったことを最後になって理解できるとは思えず、最後になって理解できたという事はちょっと唐突過ぎという感じがする。 その辺はキャラの描き方がちょっと浅いかなと思う。 役者に関してはロック・ハドソンは適役ではないかと思えるぐらい役に演技がはまり、年老いた姿まで演技はなかなか良かった。エリザベス・テーラーは良い演技をしていたが、主役の割には存在感を他の役者に奪われがちで全体的な印象が今一つ弱い。助演陣では出番は少ないがビッグの姉役マーセデス・マッケンブリッジが最後まで気が強く自己中心的な性格のキャラが貫かれていて良かった。ジェームズ・ディーンも珍しく悪役を演じていて興味深かった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ナッシュ13[*]

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