[コメント] 4分間のピアニスト(2006/独)
彼女が最も輝ける場所。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
(以下で『長距離ランナーの孤独』と『ロッキー』について触れてます。ネタバレか否か、自分でもよくわからないけど)
囚人が才能を認められ、チャンスを与えられる、という内容は『長距離ランナーの孤独』を思い出した。(実は映画も原作も見ていなくて、あらすじを知っているだけなんだけど) ただ、違うのは、この映画は、社会への反抗がテーマではないということだ。ジェニーはただ思うがままに自分を表現したかった。それだけだ。おそらくジェニーには、師の面をぶっ壊し、縁を切ろうなどという思いはないだろう。むしろ二人はこれからさらに打ち解けるのではないか。
ジェニーにとって、賞などどうでもよかった。人生が何も思うように行かず、刑務所の中で拘束されていたジェニー。そんな彼女が、自分の感情を思うままに表現できる場所が、ピアノの舞台だったのだ。与えられた楽譜通りに弾いたりなどしない。彼女が最も輝けるチャンスを逃したりしない。この辺は『ロッキー』とも重なった。
ラストの静止画。ジェニーの手首に手錠が迫る。観客は、彼女が音楽家でなく、囚人であるという現実に引き戻される。しかしその一方で、彼女の表情は、歓喜に満ちている。この映画のすべてを表したような一瞬を、永遠へと変えて映画は終わる。(この終わり方も『ロッキー』そっくりだ。)
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