出来は悪くないと思うけど、ご都合主義な展開とやや疑問の残る構成がイマイチ感を漂わせる。

一応、世界最後の男、な設定のはずなんだけど、序盤の展開では、隔離されたニューヨークに生きる唯一の人間のように描かれていて、「何であんただけ、そこに残ってるの？」とか思ってたら、やっぱり違ってて……。

状況説明をきちんと序盤に持ってきて、一人になるまでの苦悩なんてのが描かれていれば、犬との孤独な生活がしんみり来るんだろうけど、説明が無いから、主人公の辛さがさっぱりわからない。犬の細かい設定も中盤まではわかんないから、後半になってようやく納得する始末だし、びっくり展開を重視するあまり、物語構成上のいろんなツボのタイミングを外している。

結局、最後の男になっちゃった原因と結果、さらにタイトルに絡めた結末は説明されるけど、その他の要素はなんかよくわからないまま。どっきり演出や映像は不足無いんだけど、中身がイマイチ納得できなくて、正体のわからない添加物だらけのジャンクフードみたいな満足感。