[コメント] ヒッチコックのゆすり(1929/英)
冒頭10分近くは完全にサイレント映画だ。1秒16コマのカットがほとんどに見える。しかし、この容疑者逮捕場面で実にドライヤーばりの強烈なモンタージュが見られ、本作はこのまゝ無声映画として見たかったという思いも残る。
全体的にはかなり演劇的な構造を持つ映画だが、そこはヒッチコック、ドリーとパンニングとディゾルブを駆使して画面でよく見せる。ヒロインのアニー・オンドラは、これもヒッチコックらしく、後の『めまい』のキム・ノヴァクを先取りするような、まるで着せ替え人形のような扱いなのだが、彼女の着替えをディゾルブでつなぐシーンでは、ジャンプカットの効果が出ており、ゴダールの30年前に既にヒッチコックがジャンプカットをやっていたのだと感心する。
円形、もしくは渦巻のモチーフ。ファーストカットの、走る自動車のタイヤ。丸いマイクロフォンへのドリー。
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