[コメント] ONE PIECE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜(2008/日)
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このドラム王国のエピソードは、原作の中でも私が最も好きで、最も泣いたエピソードです。しっかりした骨組みと、名言の宝庫。素晴らしくよく出来たエピソードだと思っています。「いい人生だった!」「おでに医者を教えてくだだい!」「ごの世に治せない病気はないんだがら!」・・・と、打っただけでもう涙腺が緩む程の私なので、映画館でも恐らくチョッパーに引けを取らないくらい泣いていました。てか最初に出てくるタイトルに、桜の花びらがヒラヒラ〜と舞っただけで泣いてましたからね。どのシーンか忘れたけど、嗚咽すら漏れましたから!(大音量にかき消された為、周囲には気づかれずに済みましたけど)
泣き所は原作とほぼ一緒。ただ映画ゆえに声優さんの台詞の言い回しでそれが色々とプラスマイナスに作用する事はありました。例えば私が原作で一番号泣したシーン、アミウダケにドクロマークがついていたから万能薬なんだとチョッパーが泣き叫びながら言うくだり。あのシーンなんかは「どうだ!泣け!」と言わんばかりのカット割りと、感情大爆発の台詞の言い回しでこっちが泣くタイミングを逃してしまったという感じ。逆に声優さんの感情が乗ったせいで非常に有効に響いた台詞も多かったです(「行っておいで、バカ息子」など)。他にヒルルクとチョッパーのエピソードについては言い出したら止まらなくなりそうだし(言葉も涙も)、原作の感想になってしまいそうなのでやめておきます。
で。原作も同じなんですが、チョッパーとヒルルクの回想シーンが終わりワポルが出てくると、途端に話が詰まらなくなる。映画ではそれをムッシュールというオリジナルキャラで補おうとしたんだと思いますが、悪魔の実の能力者としてのキャラが立っておらず、非常に中途半端なキャラに感じました。そもそも10年に一度しかその能力が使えないって…。それは特に悪魔の実の能力として出さなくても、ワポルがイッシー20を騙して開発させた毒素として出しといて、それを振り撒こうと目論むとか、そういう程度の設定で良かったんじゃ?解毒剤はイッシー20が作ってたんだし。しかもムッシュールが無駄に強いんだけど(だからと言ってギア2どころか、ギア3を入れるまでもないとは思いますが)、その強さが特に悪魔の実に頼ったものではない印象を受けたのももったいない。というか体術に長けているという印象。まぁキノコの毒胞子とか出してたからそれが能力なんだろうけど、それについての説明が全くないので彼のイメージというものが確立しないまま終わってしまったという感じです。せっかくオリジナルキャラを出したんだから、そこら辺も骨組みをしっかりしておいて欲しかったと思いました。また、ムッシュールを出したのなら思い切ってチェスとクロマーリモを消しちゃえば良かったのに。あんな静電気攻撃出すくらいの雑魚キャラ扱いなら省いてしまっても特に問題はないかと。
それからドルトンが能力者だって事も省かれてましたが、アラバスタ編との絡みがあってこそ際立ったキャラだから今回はしょうがないのかな。原作ではかっこいいキャラなので、あまり目立つ事なく終わってしまったのがちょっともったいないですけど。あの人もめっちゃ漢ですからね。
そしてやっぱりルフィは最高だと。ヒルルク&チョッパーに持っていかれがちなエピソードにもかかわらず、やっぱり船長はしっかりと船長をしている。こういうところがワンピースが人気のある所以なのでしょうかね。
劇場版ワンピースは初めて観たのですが、劇場は意外に大人が多くてビックリしました。初日だったので原作ファンも多かったんだと思いますが、子供たちも楽しそうに笑ったりと、大人から子供まで楽しめる作品に仕上がっていたと思います。前に座っていた高校生ぐらいの男子2人が、終わってから「お前泣いてね?」「泣いてないって」「お前泣いただろ」「いや、泣いてないって。お前泣いただろ」って言い合ってたのもまた可愛かったです。最後にとびきりの笑顔で手を振ってくれたチョッパーぐらい可愛かったです。
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08.03.03 記
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