[コメント] うた魂♪(2008/日)
前半の演出のぬるさは目を覆わんばかり。主演の夏帆もつまらない台本を消化演技しているとしか見えず、余程途中で席を立ちたくなった。しかし、やがてそれなりに魅力を帯びてくるのだが、これでは暖まるのに時間のかかる電熱器さながらだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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『天然コケッコー』の輝かしさは幻だったか、と思わせるくらいに作為的な演技で魅力のカケラすら見失っていたような夏帆は、とてもじゃないが直視できるものではなかった。この子、これで終わりかな、と本気で思ったものだ。そして失笑すらも喚起できない冷え冷えとしたギャグの応酬に、もうやめてくれ、と立ち上がりたくなった。
やっと「電熱器」が暖まってきたのはゴリたちの登場あたりからだ。しかし、彼らほどの変化球を今更必要とするのならば、むしろヒロイン側にこういうアクの強さを持ってくるべきではなかったか?客が呆れて帰ってしまってからでは遅いのだ(試写会で観たが、席を立つ客は3、4人はいた)。変わったのは夏帆だけであり、合唱部は勝つべくして勝っている。部員がゴスペラーズを歌い始めたのは、ゴリたちが尾崎豊をシャウトした延長線上のことである。薬師丸が伝説のソウルフル・シンガーだというのはいくらなんでも無理があった。それらを是としたとしても、なお夏帆がリードをとっていたのでは何も変わらない。
前半2点、後半3点。今回は甘めに3点にしておくが、次回作は夏帆の真価が問われるだろう。彼女にもしっかりと覚悟を決めておいてほしいものだ。
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