続編は失敗に終わるという定説を根底から覆すジェームス・キャメロンの凄さは徹底した脚本の綿密さにあるはずです。今回特に関心するのは、前作が自身が関与した作品でないにもかかわらず、見事自身の世界に引き込んでいるところではないでしょうか。

　リプリーが主役であることはすでに前作で明かになっているわけですから、そこに新鮮さを見いだすことはできません。しかしアンドロイドのエピソードや、群生するエイリアンの登場、マザーエイリアンという着想など、大胆な発想で新たな展開を生み出しています。

　思えばこのシリーズ、１〜３まではいずれ劣らぬ名監督ばかりで、それぞれの個性が見事にエイリアンというキャラを中心に独自の世界を作り出していることになりますよね。シリーズものも同じ題材でこれだけ別々の楽しさを共有できれば申し分ないという感じですよね。