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[コメント] エイリアン2(1986/米)

「今度は戦争だ!」。まさにキャッチ・コピーの通り!
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ホラーであった前作とは一線を画す出来映えで、小気味の良いアクション作品に仕上がっている。シチュエーションも燃えるので、手に汗を握りつつ観ていた。  色々言われることもあるようだが、1作目からジャンルを変えたのは正解。『エイリアン』は『エイリアン』として、これは別な意味での魅力が十分に溢れている。

 ロボットを含め、機械類が妙にリアルっぽくて面白いのと、エイリアンが群をなして襲ってくる描写は結構怖い。少し弱くなった感じもしないではないが、それはそれ。本作はそう言う奴らをぶちのめす快感の方が大切だ。

 ドラマ部分ではリプリーがニュートを発見し、その姿に母性を発揮するシーンだが、完全版だと物語冒頭で老人となり死んでしまった自分の娘の写真を見て涙を流すシーンがあり、それが良い伏線になっている。海兵隊員として馬鹿にされ続けてきた男が自分の命を捨てて意地を見せるのも結構ぐっと来る。あとはビショップかな?ランス=ヘンリクセンがいい味出している。元々不気味な存在(失礼)だったけど、サイボーグ役がこれ程似合うとは。特に最後、上半身だけの姿は憐れみを誘ってますます良し。

 ラストのクィーンとの対決はニュートを得て母性本能を目覚めさせたリプリーと、自分の子供たちを殺され、怒りに震えるクイーンとの、「母対母」という構図に持っていく巧みな演出。リプリーが叫んだ「子供に触らないで!」(これは字幕。本当に言った言葉は「Bitch!」)は、まさしくクイーンの台詞でもある。

 尚、これは後の多くの怪獣作品に多大な影響を与えてくれたようで、一旦ほっとさせ、それからドスンと落とす手法は量産されることになる。そう言う作品を見る度に、キャメロンという監督が映画界に与えた影響の強さを思わされる。

 あまり言われることが少ないが、これはカメラ・ワークの勉強には実に良い。どういうカメラ・アングルで映せば恐怖を味わえるか、そしていかにキャラクターを格好良く魅せるか。キャメロンは本当に巧みだし、随分参考にもなる。

(評価:★5)

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